どうも、だいちーです。
- 人から頼み事をされるとどうしても断れない
- 相手に対して言いたいことを我慢してしまう
- 作業を手伝ってほしいけれど、誰かにお願いすることが苦手
- つい、自分の主張を通してしまい周囲との関係が険悪になることがある
- 自分の意見に反論されるとついついイライラしてしまう
あなたは、人間関係において、いずれかの悩みを抱えたことはないですか?
有名な心理学者アドラーは言いました。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と。
では、どうしたら、悩ましい対人関係を円滑に行えるのでしょうか?
今回は「マンガでやさしくわかるアサーション」を読んで学んだことを記事にしました。
本記事の内容
- アサーションとは?意味を解説
- あなたのアサーションタイプを診断
- 3つのアサーションタイプをそれぞれ解説
- アサーションに必要なスキル
- 簡単にできる2つのトレーニングを紹介
目次
アサーションとは?アサーションの意味を解説

アサーションとは、
自分も相手も大切にした自己表現を用いて行う、コミュニケーションの「考え方」と「方法」
です。
あなたがもし、自分の意見をあまり言えなかったり、人からの頼みを断れないタイプだった場合、人間関係において自分を犠牲にして相手の主張ばかり通しているバランスの悪い状態となってしまいます。
これでは、ストレスを溜め心身に不調をきたしてしまったり、いつか、溜め込んだストレスが爆発して大切な人との関係を破滅させてしまう恐れがあります。
逆に、あなたが自分の主張は何が何でも通すけれど、相手の主張は聞き入れなかったり、
相手を自分の思い通りに動かすために強い口調で迫ったり、立場を利用して主張を押し付けるようなことをすれば、いずれ周囲の人はあなたから離れて行ってしまうでしょう。
いずれも、自分と相手とが対等ではなくどちらかが我慢をしているバランスの悪い人間関係と言えます。
こういった、どちらかが我慢をしている偏ったコミュニケーション方法では健全な人間関係を築くことは難しいでしょう。
そこで、自分も相手も大切にするコミュニケーション法で対応する必要があります。
それが「アサーション」です。
アサーションは1950年代のアメリカで自己主張が苦手な人へのカウンセリング場面で活用されていました。
そしてその理論は、1970~80年代に起こったアメリカにおける人種差別や性差別に対する人権回復運動の中でアサーションを必要とする人へ対する訓練法として広がっていきました。
そして、アメリカでその理論を学んだ平木典子氏が日本へ持ち帰り、1980年代から「アサーション<自己表現>トレーニング」を広めてきました。
あなたのアサーションタイプ(傾向)をチェック
アサーションには3つの自己表現タイプがあります。
あなたはどのタイプなのかを以下の質問に答えることで判定できます。(こちらの質問と回答は株式会社ダイレクトコミュニケーションさんの記事を参考にしています。)
① 人見知りや引っ込み思案なところがある(○・×)
② 自分に自信が持てない(○・×)
③ 自分の意見が言えずついつい人の意見に合わせて行動しがち(○・×)
④ 相手から認められたいと思うことがよくある(○・×)
⑤ 自分の意見や主張を相手に反論されると言い返せなくなる(○・×)
① 人に自分の弱みを見せるのが苦手である(○・×)
② 人のミスや短所を指摘することがよくある(○・×)
③ 自分の思い通りにいかないことにイライラすることがよくある(○・×)
④ 相手のミスをついつい厳しく責めてしまう(○・×)
⑤ 自分の意見に反論されるとついカッとなってしまう(○・×)
① 相手に自分の正直な気持ちを話すことができる(○・×)
② 常に自分から主体的に行動することができる(○・×)
③ 人が大勢いる場でも自分の意見が主張できる(○・×)
④ 苦手なタイプの人とも自然な会話ができる(○・×)
⑤ 相手から否定されても、自分を卑下することなく、相手の意見も尊重できる(○・×)
結果は、〇が多かったタイプがあなたの自己表現タイプです。
タイプA ⇒非主張的な自己表現タイプ(ノン・アサーティブ)
タイプB ⇒攻撃的な自己表現タイプ(アグレッシブ)
タイプC ⇒理想的な自己表現タイプ(アサーティブ)
では、次にタイプごとの特徴を説明します。
3つの自己表現タイプを解説

アサーションにおける自己表現タイプは上記の3つに分けられます。
非主張的な自己表現タイプ(ノン・アサーティブ)
- 自分の言いたいことが言えない
- 会議の場などで意見はしない
- 人からの頼みを断れない
- 消極的で受け身
- 人との対立や衝突を避けようとする
- 自分では決められず他者に依存的になる
相手が一番、自分は後回し
相手のことを優先して、自分はガマン
「わたしはOKでない、あなたはOK」
「頼ってもいいこと」を頼らなかったり、「断ってもいいこと」を断れず自分の意思よりも相手の要望を優先してしまうタイプ
ドラえもんのキャラクターで例えると『のび太くん』
攻撃的な自己表現タイプ(アグレッシブ)
- 自分の主張を通すために高圧的な態度をとる
- 地位や立場を利用して他者を思い通りに動かそうとする
- 相手の心境を推し量らず自分を優先する
- 自分に対して反論や意見する他者を受け入れない(受け入れても根に持つ)
- 非主張的自己表現を続けたあげく、親しい人に自分の思いを爆発させたり、押し付けたりして攻撃的になることもある。
自分が一番、相手を無視
自分の意見ばかりを主張して、相手の意見を聞かなかったり否定したりする
「わたしはOK、あなたはOKでない」
相手に「お願い」するのではなく命令したり押し付けたりして自分の思い通りに相手を動かそうとするタイプ
ドラえもんのキャラクターで例えると『ジャイアン』
理想的な自己表現タイプ(アサーティブ)
- 自分の気持ちを大切にしつつ、相手の気持ちも考慮する
- 自分だけでなく相手の気持ちや考え方を十分に受け入れる
- 自分の考えと相手の考えが違う場合、互いに歩み寄り解決策を探ろうとする
- 自分の意見・主張・考えを率直に表現する
- 自分と相手の主張が相容れなくても、それは当たり前といった考え方が出来る
自分も相手も大切
自分の意見を適切に伝え、相手のことにも気をくばる
「わたしもOK、あなたもOK」
「頼みたいこと」を頼んだ場合に、相手の答えが「イエス」でも「ノー」でも受け入れることが出来るタイプ
ドラえもんのキャラクターで例えると『しずかちゃん』
アサーションに必要なスキルは「自己信頼(自信)」

本書の中で著者は「アサーションには自己信頼が必要」としています。
自己信頼つまり「自信」は自分を当てに出来る状態です。
幼い子供は不安になったり、困ったことがあると泣いたり、声を上げて他者からの助けを求めます。
そして、誰かから助けてもらえることがわかると、「助けを求めても良い」ことがわかり、助けを求める自分自身に自信を持ちます。
自信を持って「助けてほしい」と言えることは、いわば、自分ひとりではできないことを伝え、助けてほしいと表現してもいいということですから、矛盾した言い方かもしれませんが、自信がないことに自信がつき、助けがほしいときはきちんと依頼することができます。本当に助けがほしいとき、相談をしたいとき、それを自ら認め、求めることは、じつは、自分の現状をよくわかっている自立的な行動なのです。
平木典子 「マンガでやさしくわかるアサーション」
そして、自信(自己信頼)は自分ができることは実行し、できないことを認めて人に助けを借りたり、頼ったりすることで培われるとしています。
この考え方には僕自身ハッとさせられました。
自信というのは「自分で何かを達成した経験を積み重ねて培われるもの」
としか考えていなかったので、自分が出来ないことを認めて、
他者からの助けを求めることが出来た経験をもとに自信を持っても良いんだ!
と、新鮮な発想に目の前が明るくなった感覚を得られました。
簡単に出来る2つのアサーション・トレーニング

①爽やかな自己表現法『DESC法』
アサーティブな自己表現の方法として「DESC法」というものがあります。
合意を得る必要がある場面で有効となる、4つのステップで構成された『表現方法の型』です。
- D(Describe):描写する
状況や相手の言動を主観を交えずに客観的に描写する。相手の態度や意図ではなく、事実を描写する。 - E(Express):表現・説明する
状況に対して自分が感じていることを「表現・説明・共感」する。
「私」を主語に自分の感情や気持ちを感情的にならず伝える。 - S(Specify):提案する
相手に望む行動、妥協案、解決策などの特定の提案をする。 - C(Choose):選択肢を示す
提案した案が実行された場合と実行されなかった場合のそれぞれの結果を想像し、その結果に対する選択肢を示す
例えば、知人との長電話をそろそろ切り上げたいとき
DESC法を使えば次のようなセリフが作れます。
【D】「話し始めてから1時間が経ちましたね」
【E】「私は今日とても疲れていて、集中力が切れてきました」
【S】「今日の話はそろそろ切り上げて、続きはまたにしませんか?」
【C】「切り上げてもよければ近日中に私から連絡します。もし、このまま続ける必要があるなら、その話はあと10分ぐらいでできますか?」

こちらの事情や気持ちを伝えながら、相手の事情も汲み取り、お互いの妥協点を探り、代替案を提案する。
このような建設的なコミュニケーションが可能となります。
②「I(私)」を主語にした『I(アイ)メッセージ』
本書では、紹介されていませんでしたが、アサーティブな伝え方として
「I(アイ)メッセージ」と呼ばれる方法があります。
Iメッセージとは、主語を「自分(私)」にして相手へのメッセージを伝える方法です。
それとは反対に、「相手」を主語にして伝えるコミュニケーション方法をYouメッセージと言います。
部下や後輩などに指示を出したり、言動を注意したりする際にオススメの方法です。
例えば、部下の度重なる遅刻を注意するとき
「なんで、キミはそんなに何度も遅刻を繰り返すんだ!たるんでいるんじゃないのか!」
このように伝えるのは「キミ」と相手を主語にしているためYouメッセージとなります。
Youメッセージで否定的なことを伝えると、相手の人格を非難するような印象を与えたり、相手の話を聴く雰囲気にならず解決策が見出せない、攻撃的(アグレッシブ)なコミュニケーションと言えます。
一方、Iメッセージで伝えると、
「部下の遅刻が多いと業務に支障が出てしまい、私も他の従業員も困っている。なにか始業に間に合わない理由があるのかな?」
このように、部下の遅刻によって困っている「私」を主語にしているのでIメッセージとなります。
そして、遅刻の原因を探るためにあくまで落ち着いて解決策を見出す会話の流れにスムーズに移ることが出来ます。
もしかしたら、この後の会話の流れで部下から
「残業により帰りが遅くなってしまい、結果、睡眠時間が短くなり朝寝坊してしまう」といった問題が語られるかもしれません。
どう考えても相手に非がある場合は、ついYouメッセージで相手を非難してしまうのも無理はないかもしれません。
しかし、建設的な人間関係を築くためにはIメッセージで
「私はこう思っている、こうして欲しい」という自分の考えを伝えることが大切です。
まとめ
- アサーションとは「自分も相手も大切にするコミュニケーション」
- アサーションタイプをチェック
- 「非主張」「攻撃的」「理想的」の3タイプ
- アサーションに必要なスキルは「自己信頼(自信)」
- 2つのトレーニング法
①DESC法
②Iメッセージ
「人はコミュニケーションなしでは生きていけない。アサーションを単なる表現法や交渉術の問題の解決法だけでなく、関係の在り方として受け取っていくと、関係づくりのコミュニケーションの道が開ける」
平木典子 「マンガでやさしくわかるアサーション」
と著者は言います。
アサーションは単なるテクニックとしてのコミュニケーション法にとどまらず、自分と他者との関係の在り方を根本から考える必要がある、とても奥が深い概念であるように感じました。
学んでいけばとても奥が深く、自然とアサーションが実践できるまでに至るには長い年月を要するような気もしますが、本書ではアサーションの入り口として、とてもわかりやすくアサーションの考え方や実践方法を学ぶことが出来ます。
人間関係に神経をすり減らして、心身に不調をきたす前に、ぜひ本書を読んで健全な人間関係を築く自己表現方法を身に付けてみて下さい。