どうも、だいちーです。
今回は、誰もが口を揃えて良書だと呼ぶ、
『LIFE SHIFT(ライフシフト)100年時代の人生戦略』
を読んだので、記事にしました。
本書の内容をざっくり言うと、
人類の長寿化の進行により私たちの生き方と働き方は様変わりする。
その変化に向けて今から準備し、適切に対処するための助けとなる1冊。
です。
目次
人生100年時代とは

人生100年時代とは、ざっくり言うと
人間の寿命は右肩上がりに延びており、今後100歳ぐらいまで生きる人が増える
って感じです。
現在(2018年)、日本人の平均寿命は
男性:81.25歳
女性:87.32歳
となっています。
過去200年間平均寿命は右肩上がりで延びてきており、これからも上昇を続けるとの見方が強いです。
本書では、
2007年に生まれた子供の50%は107歳より長く生きる。
この数字はさらに延びていき2014年に生まれた子供は109歳まで生きる。
とあります。
平均寿命上昇の理由は、死亡率が改善した結果、
- まずは乳幼児死亡率が改善したことで平均寿命が大幅に上昇し、
- 次に中高年の慢性疾患の対策が進んだことで平均寿命が大幅に伸びることになった。
ことが要因としてあげられます。
そしてさらに今後も、
- 医療技術の発展による病気の早期発見
- 治療と処置の改善
- 健康への啓蒙活動の強化
などによって健康水準が向上していき、人々の寿命は右肩上がりに延びていく。
これが、この本で謳われている人生100年時代です。
平均寿命上昇による人生のマルチステージ化

このように人間の平均寿命が延び、人生における活動時間が長くなったことでこれまでの生き方が適さない時代になってきました。
これまでは人生は3つのステージに分かれ進行していきましたが、これからの人生100年時代ではマルチステージで進行していくことになると本書では述べています。
旧来の人生ステージ
- 教育
- 仕事
- 引退(老後)
これからの時代は上記の3つのステージに縛られず、
もっと柔軟で自分らしい生き方を選ぶ道もある、
つまり、生涯を通じて様々なキャリアを経験することになります。
そこで新たに加わるステージが以下の3つです。
新しいステージ
- エクスプローラー
- インディペンデント・プロデューサー
- ポートフォリオ・ワーカー
※ いずれのステージも特定の年齢層に限定されず、行ったり来たりが可能です。
エクスプローラー:探検者

興奮、好奇心、冒険、探査、不安といった要素で構成される時期。
- 一か所に腰を落ち着けるのではなく、身軽に、そして敏捷に動き続ける
- 旅をすることにより世界について新しい発見をし、あわせて自分についても新しい発見をする
- 旅をしたり、多様な人々と関わったりしながら自問をする
- 問いを発し、注意深く監察し、熱心に耳を傾ける
- 自らの価値観を問い直し、自分のアイデンティティと役割をじっくり考える
インディペンデント・プロデューサー:独立生産者

専門知識を身に付け、学習し、生産活動に携わる時期
- ひとことで言えば、職を探す人ではなく、自分の職を生み出す人
- 成功することではなく、ビジネスの活動自体を目的にしている
- 実践を通じて、有益なことをたくさん学ぶ。(資金調達方法、資源入手方法、支援・助言を受けるのに必要な人的ネットワークの築き方など)
ポートフォリオ・ワーカー

様々な活動に同時並行で携わる時期
- すでに人生の土台を築いた人たちが魅力を感じやすい生き方
- 複数の動機に突き動かされて生きることになる。(金銭的資産を増やす、人生の可能性を探索する、活力と刺激を得る、学習する、社会に貢献するなど)
- ボランティア、地域活動、趣味、副業、過去の経験を活かした活動など
3つの無形資産

人生が長くなることで必要になってくるのは、貯蓄や株・不動産のような有形資産だけでなく、
スキルや健康、自分についての知識といった以下3つの無形資産の運用が重要です。
- 生産性資産
- 活力資産
- 変身資産
生産性資産
スキルと知識を主たる構成要素とし、人が仕事で生産性を高めて成功したり、所得とキャリアの見通しを向上させるのに役立つ資産です。
仕事上のスキルやマネジメント能力の向上だけでなく、仕事外での自主的な勉強や資格の取得など積極的な学びの姿勢が大切になるかなと感じました。
活力資産
肉体的・精神的な健康と心理的幸福感など。
健康、友人関係、パートナーやその他家族との良好な関係などの要素が該当します。
心身の健康は長生きするうえでは最も大切な条件と言えます。
健康的な食事、運動の習慣、十分な睡眠や休息などといった日常生活を充実させつつ、友人やパートナーとの健全な関係性作りも欠かせません。
変身資産
自分についての知識、多様性に富んだ人的ネットワーク、新しい経験に対する開かれた姿勢などの要素です。
この変身資産は旧来の3ステージの人生での必要性は低かったのですが、マルチステージの人生では非常に重要となります。
- 自分はどんな人間なのか
- どんな価値観を持っているのか
- 何が好きで、何が得意なのか
といった「自分について知ること」は長く変化の多い人生を送るうえでは非常に重要な意味を持ちます。
また、困ったときに支えてくれる友人やメンター、頼りになるビジネスパートナーや自分にとっての理解者といった強固な人的ネットワークの形成も欠かせません。
これらの資産を築くために、好奇心や物事に対する開かれた姿勢(オープンマインド)なども変身資産の1つと言えるでしょう。
まとめ:時間の使い方を考え、自分らしく生きる

これからの人生100年時代では、
教育(学生)⇒仕事(社会人)⇒引退(老後)
のような、これまで当たり前であった生き方では精神的な幸福も経済的な安定も得られません。
寿命が延びた分、与えられた時間を「何に」、「どう」使うかがこれまで以上に重要になってきます。
これまでは余暇の時間を消費や娯楽に充てていても生きていくことが可能でしたが、
これからは自分の無形資産への投資と、自己のリ・クリエーション(再創造)に時間を充て、長い人生を自分らしく生き抜いていかなければ!
と思える内容の良書でした。