どうも、だいちーです。
今回は「insight ー いまの自分を正しく知り、
- 自分の人生の目的がわからない
- 自分が本当に求めているものを知り、人生をより良くしたい
- 仕事、プライベートにおいて自分の価値観に沿ったより良い選択をしたい
こういった方にオススメの書籍です。
目次
成功と失敗を左右する、最も重要なのに最も見逃されている要素、「自分を知る力」

この本は仕事やプライベートといった人生の成功に必要なスキルである「自己認識力」について書かれた本です。
仕事での成果や良好な人間関係、そのカギは「自己認識」にある。
しかし、多くの人は思い込みにとらわれ、自分の可能性を狭めてしまっている。
ビジネス界でも活躍する組織心理学者が膨大な先行研究と自身の研究・実践から、
自己認識の構造を理論的に解明し、
思い込みを乗り越え、より深く自分を知るための方法を伝える。Amazon 内容紹介より引用
巷には自己分析や自己理解の方法について書かれた書籍、動画、セミナーなどが様々ありますが、それらは本当に正しく自分を知ることが出来る方法なのか?
そんな疑問に対して、迷信や、思い込みによる誤った方法ではなく科学的な根拠を用いて人生の成功に必要な「正しい自己認識」を得る方法を紹介している1冊です。
自分を知る「自己認識力」とは

一言で「自己認識力」と言っても大別すると2つの能力となります。
- 内的自己認識:自分自身を明確に理解する力
- 外的自己認識:周りの人から自分がどう見られているかを知る力
- 内的自己認識は自分自身への理解です。
「自分は〇〇が好き・嫌い」「〇〇に情熱を感じる」「どんな環境だと居心地がいい」といった、自分に関することを明確に理解する力のことです。
この力が高ければ、自分に合った環境を選ぶことができ、より幸せで満足度の高い人生を送ることができます。 - 外的自己認識は周りの人から自分がどのように見られているかを知る力です。
この能力が高ければ、周囲からの評価と自分自身の評価にギャップが少なく、周囲と信頼度の高い関係性を築くことが出来ます。
驚くことに、これら内的自己認識と外的自己認識には、ほとんど相関関係がないということでした。
つまり、
内的自己認識(自分自身への理解力)
が高いからといって、
外的自己認識(自分が他者からどう見られているかへの理解力)
が高いとは限らないそうです。
この内と外の両輪をバランスよく高めることが正しい自己認識を得るために必要となります。
内的自己認識の誤解

「なぜ」という間違った問い方
著者はこの内的自己認識について世の中には間違った思い込みが多く広まっていると言います。
- 無意識を知ることが出来る
- 毎日日記をつける
- 「内省」することで自分を知ることが出来る
これらは間違った思い込みであるとして、科学的根拠に基づいた対処法を示しています。
中でも、気になったのは
人はなぜか自分自身に対して「なぜ」と問いかける
ということ。
この「なぜ」の問いかけは内省をする際の問いかけ方としては間違っていると著者は述べています。
人は「なぜ」と問いかけるとネガティブな感情が沸き起こり、自身を過去という檻に閉じ込めてしまうのです。
- なぜ今の仕事を選んだのだろう
- なぜ今こんな環境で生活しているのだろう
- なぜ自分にはこの価値観が備わっているのだろう
「なぜ」の問いは原因を探るものです。
これを自分に向けてしまうと「内省」しているつもりが、答えの出ない「反芻」をしているにすぎない状態となり、人は出口のない袋小路に迷い込んでしまうのです。
※ただし、ビジネス上の難題を切り抜けたり、チームや組織の課題を解決しようとする際には「なぜ」と問うことは効果を発揮します。あくまで、自分を知るために向ける質問で「なぜ」を使うのは効果的ではないという話です。
「なぜ」ではなく「なに」が適切
自分を知るために向ける質問は「なぜ」ではなく「なに」と問うことが重要です。
「なに」と問うことで、自分の潜在的な可能性に目を向けることが出来ます。
- 今の仕事から学べることは何だろう
- 今の生活環境から抜け出す為に必要なモノは何だろう
- 自分に備わった価値観を満たすためには何が必要だろう
「なに」という質問は好奇心を引き出し、よりよい未来を作り出す助けをしてくれると著者は述べています。
「なぜ」は過去に向けた視点における質問
「なに」は未来に向けた視点における質問
と言い換えることが出来るかと思います。
そして、今回のように「自分を知る」作業において効果的なのは「なぜ」よりも「なに」を用いて問いかけることが重要となります。
外的自己認識に対する障壁

周囲から自分がどう見られているかを知るためには、普段から接している、仕事仲間、家族、友人など自分を知る人からのフィードバックを得る必要があります。
しかし、ここで障壁となる問題が存在します。
それは以下の2点です。
- 周囲の人は真実を伝えてくれない
- 自分も真実を聞こうとしない
ここでは、
❷自分も真実を聞こうとしない
について印象に残った点を記します。
現実逃避の3本柱
私たちが自分に対する真実(周囲の評価)を聞こうとしないのには3つの現実逃避的な思考が働いているからです。
- フィードバックを求める必要がない
- フィードバックを求めるべきでない
- フィードバックを求めたくない
これら3つの現実逃避によって、正しいフィードバックが得られないと正しい外的自己認識は身につきません。
自分に対して周りの身近な人々がどういう感情を抱いているか、自分をどう評価しているかを知るということはとても怖いことでもありますが、自身の成長のためには必要な痛みであると言えます。
自発的に真実を学ぶ3つの戦略
- 360度評価
- 適切なフィードバック(適切な「人」「質問」「プロセス」)
- 真実のディナー
本書ではこれらの戦略について詳しく記載があります。
僕自身が明日からでもすぐに実践できそうなものとして挙げるなら、「真実のディナー」かな?と思います。
これは心理学のテクニックでもある「ランチョンテクニック」ですね。
美味しい料理を食べながら話すと相手に対して好印象を与えやすいと言われているテクニックです。
自分についてのフィードバックを求める相手を食事に誘う時に、ポイントがあります。
それは、自分がどういう目的でフィードバックを求めているのかを明確に相手に伝えることです。
そして、どんなフィードバックに対しても、過剰な反応を示さずオープンな気持ちで受け入れることを伝える必要があります。
そうしなければ、相手は今後のお互いの関係性などを気にして、正直な意見を伝えてくれない可能性があるからです。
まとめ
- 仕事や人間関係などで成果を得るためには「自己認識」の力が重要
- 「自己認識」には「内的自己認識」と「外的自己認識」に分かれる
❶「内的自己認識」は自分が自分を理解する力
❷「外的自己認識」は周囲から自分がどう見られているかを理解する力 - 内的自己認識を高めるために必要な問いは「なぜ」ではなく「なに」
- 外的自己認識に対する2つの障壁
❶周囲の人は真実を伝えてくれない
❷自分も真実を聞こうとしない - 自発的に真実を学ぶ3つの戦略
❶360度評価
❷適切なフィードバック
❸真実のディナー
巻末資料で価値観や情熱、願望、理想とする環境などを知る質問がそれぞれ5~6問ずつぐらい用意されています。
この巻末資料のワークに取り組むためだけでも本書を購入する価値があるように思えるほど、充実した資料になっています。
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